みなさん、チャオ!チャオ!! 小市民・栃野ザネリです。
最近、中津江も寒くてですねぇ。。。 同じ職場の方の庭先にぶら下げている温度計。 この間とうとうマイナス10℃を指していたそうです。なんだか最近、そういう意味で身の危険を感じます。。。
今回は、私の父について書いてみようと思います。
タイトルは、『ものづくり礼賛~消費社会のゆくえ~』でーす。
私の父は、マメです。
見た目もマメみたいですが、行動がそれ以上にマメです。
田舎の年配の方々は、生活上何か不足があった場合『買う』という行動を起こす前に、 自分自身で『作れるか』どうかを検討する人が多いように思います。また、自分のつくった野菜などもご近所に 配ったりして、またそのお返しも何か家でこしらえたものだったり。要するに、貨幣経済を根幹としながら、 精神的つながりの強い物々交換が滾々(こんこん)と息づいているようです。 そして、それは我が家も例外ではにゃい。
うちの父もいろんなものを手作りで済ませてしまうのですが、元来ものづくりが好きな性質なので ハードな作業もそんなに苦にならないよう。ちなみに父は村での郵便配達が生業ですので、 ものづくりは日曜大工的なものです。
しかし彼の場合、好きが高じて家族はちょっぴり困惑することもしばしば。。。 それではここで彼のDIY作品をいくつかノミネートしてみましょう。
≪自慢のDIYノミネート作品①≫ 『手づくりの茶の間』
ある夜、残業で夜遅く帰宅した日のこと。基礎部分は築100年を超える古びた我が家。 いつものように玄関から入り、台所でつまみ食いをして茶の間の障子を開けたところ、 信じられない光景がザネリの目に飛び込んで来ました。あるはずの茶の間がスッポリ無くなってたんです。 出勤前の朝まであった茶の間がスッポリ、ほんとうにスッポリ無くなってるんです。そして、満天の星空の大パノラマがまるでプラネタリウムのように。。。
どうもその日から父が居間の改修工事を始めたらしいのです。
安部公房もビックリの出来事でありました。
≪自慢のDIYノミネート作品②≫ 『ネコ捕獲箱』
うちの近所には野良ネコが数匹生息しています。そんなに悪さはしないのですが、 我が家がオンボロなばっかりに屋根裏にもぐりこんで徒競走をやったり、 隙間から出てきてご飯をつまみ食いしたり。。。 些細なことですが、毎日こういう具合ですとちょっと堪忍しかねます。 そこで父は『ネコ捕獲箱』をあつらえることに。
しかし、この捕獲機。過去にも製作したことがあったので、まず最初に父はそれを納屋から出してきて仕掛けてみました。 入り口は50センチ四方、奥行きが60センチほどの直方体のその捕獲機は、10年来のものでしたが作りもしっかりとしたままで父の自慢の一品でもありました。箱の奥に針金のフックがあり、そこにネコをおびき寄せるエサを吊るす。 そのエサをネコがパクついたら、フックがはずれて入り口の扉がギロチンのように 落ちてネコちゃんを閉じ込める仕掛け。
父 「おい!今日はいよいよ「ネコ取り」を仕掛けてみるぞ。
エサにするもん、持って来い!」
ザネリ 「あ~い。何がいいやろ?やっぱサバかな。」
父 「あ~!? サバとかもったいねぇ。あ、冷蔵庫にあった
あのチクワでいいぞ。」
妹:モモ 「は~い。これまだお父さん食べるかなぁ、って思っとったけど
腐っちょるき、いいね。」
父 「おぅ。 いいぞ、いいぞ。」
ザネリ 「んー…。」
かくして、妹モモと3人で仕掛けたネコ捕獲箱。夕方に仕掛けてネコの到来を待つことに。。。
時刻は夕方。午後6時。
この季節、山あいのこの村は時計が5時半をまわると陽がとっぷりと落ちる。 別に見張ってないといけないわけではないが、私たち3人はミョーに捕獲箱が気になり、 気づけば交代で窓辺から外灯のかすかな灯りを頼りにその不気味に口を開いている捕獲箱を注視していた。 仕掛けて1時間あまり経った頃だろうか。
父 「お。おい、かかったかも。。。あり? ぁああああ~~~~っ!!!」
父の意味不明の雄叫(おたけ)びが。
ザネリ 「なんね、なんね!? どうしたと?? あーっ!!」
モモ 「な~ん?? ア~~~っ!!」
駆けつけた私たち3人が見た光景。それは、箱の奥のチクワにむしゃむしゃとかぶりつく黒ネコの後姿だった。 仕掛けた罠はしっかりとその役目を果たしている。しかし・・・。
ギロチンのように鋭く落ちてネコを閉じ込めてしまうはずの入り口から、ネコの尻がムクムクと突き出ている。。。シャッターのように落ちてくるはずの扉が、ネコの尻の上に載せられてユラユラと虚しく揺れている。。。
そうです。。。捕獲機に比べてネコが大きかったのです。。。そして、それを見た父はポツリと、
父 「最近のネコは、でけぇなぁ…。」。
それから、コンコンコン、カンカンカン。トンチン、カンチン。。。
父はさっそく新しい『ネコ捕獲箱2号』の製作に取り組むことに。丸1日がかりで出来上がった2号機は、 1号機に比べてすべてが一回り大きな造りになっていた。
父 「よ~~っし。出来たかなぁ。今度はこれを仕掛けてみよ。」
モモ 「お~~。だいぶ大っきくなったねぇ!こりゃ~、
余裕であの黒ネコもイチコロばい。」
ザネリ 「お。 けっこう早く出来たじゃん。さっそく仕掛けてみたら?」
モモ 「そうしよ!そうしよ!! じゃ、私またチクワ持って来るね♪」
父 「あ、そうそう!おい、そのチクワ、やっぱ腐っちょったぞ。」
ザネリ 「(食ってみたんだ。。。)」
そして、妹モモが持ってきた例のチクワを父はさっそく2号機に取り付け始めた。サイズは大きくなったが、仕組みや原理は同じ2号機。父は右手を伸ばして、箱の奥のフックにオトリのチクワを引っ掛けようとした。
父 「あれ?」
モモ 「どうしたん?? 整備不備ですか。」
父 「うんにゃ。あり?あり?? ・・・、手が、届かん・・・。」
ザネリ 「アイタっ!! サイズ、大きくし過ぎたっちゃないと~!? 」
モモ 「あ~、もうっ! あ。 でももうちょっと入り込んだら掛けれるって。」
父 「あ、そうね。よし、ならもうちょっと・・・、もぐってみて・・・。んぐ。」
モソモソと2号機に入り込む父。そして、それをソワソワと見守る娘2人。。。
2分ばかし経った頃だろうか。
ガッッシャンっ!!
急に勢いよく箱の入り口の扉が下りてしまった!
箱の奥まで届かないために、ネコ捕獲箱2号機に上半身がほぼスッポリと納まった父。。。 四つん這いになった父の尻の上に扉が虚しくユラユラと載っかっている。。。
こんな終わり方って・・・、切ない。。。
オトリのチクワはいつまでもぶらぶらと揺れていた。。。
どうよ?この田舎の勢い。
これなら物質による『人間疎外』も少なそうでしょ? イデオロギー、社会生活と人間の意識の関係も『タマゴとニワトリの関係』に見えるでしょ?
マルクス先生、これって社会土台とその上部構造をどう説明すればよろしいですか??