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森川緑ニュース

2002年08月20日

第2回 《茗荷(みょうが)》  by kakuzo 【日暮描蔵の厄落としの書き下ろし】

 お盆を過ぎても暑い日が続いているが、一時期のジリジリと焼けるような照り返しは無くなった。吹く風の爽やかさとともに、肌にふれる太陽の光も次第にやさしくなってきたようである。夏の夕暮れ、蜩(ひぐらし)がせわしく鳴き始め、額に汗したあの陽射しが少しだけ影を潜めると、何とはなく物悲しさをおぼえる。日曜日の深夜にも同じような感情があって、まさに「今日の日はさようなら」てなわけで、人生の機微を感じるな-。祭りの後の寂しさみたいだが、イベント続きだったので、そんな情緒も感じることなく、空を眺めることも無かったので、いつのまにか雲も秋の気配を演じつつある。

 忘れられない夏!思い出したくないい夏!いずれにしても多くの出来事や思い出が残るのも、この夏の時期である。そんな思いが交錯する中、唐突ではあるが暑い夏には冷たいソーメンが一番。「ここのソーメンじゃなきゃ!」ってこだわりがあるわけじゃないし、作り方もいたって簡素なものである。で、このソーメンの薬味に合うのが茗荷。この茗荷が最近美味しく感じるようになってきた。

 茗荷が美味である、なーんていう小学生がいたら、きっとそれは異常気象のせいだが、子供の頃「何でこんなもの食べるの」と思っていたあの味と香りが妙に恋しい。ソーメンなんかの薬味としてだけでなく、漬物でも、そのまま焼いても。「茗荷を食べ過ぎるとボケるよ」、という迷信にもめげず、今までの分をとり返すのごとく、事あるごとに食すようになった。

 楽しかった夏を思い出したり、茗荷の味を楽しめるようになったり、やっぱ人生の折り返し、不惑を過ぎたから?お祭り気分のギアを少し落として、虫の鳴き声をバックにゆっくりと秋の訪れを楽しむとするか。ゆっくりと・・・?あっ、子供の夏休みの宿題は済んだんだろうか。何だか忙しない日がまだ続くような気がする・・・

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